*成長速度の調整2 [#eb28b514] [[成長速度の調整]]の講では, 複数の変数を使って, ちょっぴり不規則にパターン成長をさせました. 例えば a(X,Y):****a(sY,ssX) a(,) とすると, Xの部分に > ,s,sss,ssss,… つまり > 0,1,3,4,6,7,… というパターンが現れるというものでした. ~ ---- Xの部分に「0,1,3,4,6,7,…」を作るという方針だと, 別の書き方をすることも出来ます: a(X,Y,Z):****a(YX,Z,Y) a(,s,ss) (なおこのコードには明らかに1Bの無駄があります, 後述. ) 上述の方法よりも原理は分かりやすいのではないかと思います. 「階差」の部分が1,2の交互になるため「0,1,3,4,6,7,…」が実現されます. 以下簡単のため,最初に挙げたa(X,Y):****a(sY,ssX)という方法を''方法A'', 今回紹介したa(X,Y,Z):****a(YX,Z,Y)という方法を''方法B''と呼ぶことにします. ---- 方法Bと方法Aの大きな違いは, 方法Bでは''1つのパターンを成長させている''という点です. ~ 逆に言えば方法Aでは「2つのパターンを育てている」ことになります. ~ つまり, XとYの2つを同時に育てているのが分かりますね. ~ そのためXとYに別の初項を与えると, 別系列のパターンを同時に育てるようなことも可能です. 例えば a(X,Y):XXXXa(sY,ssX) a(r,l) みたいな感じですかね. また, 方法Bでは「1つのパターンを成長させる」ということから, 例えば > [0,2][1,3][2,4]… のような,「負の階差」を含む成長のさせ方は出来ません. さて, ただでさえbyte数が膨らんだように見える方法Bについて, さらに追い打ちをかけるように~ 「方法Aでしか出来ないこと」を紹介していきました. ~ しかし, いつでも方法Aが有利だというわけではありません. いくつか例を挙げましょう. まずは, 初項が複雑な場合です. 例えば a(X,Y):X[rslsr]X[rslsr]X[rslsr]X[rslsr]a(sY,ssX) a(,) という方法Aのコードはそのまま短縮すると a(X,Y):XXXXa(sY,ssX) a(rslsr,rslsr) と2つ同じ初項を設定する必要があります. この辺りは「本当は1つのパターンを育てたいのに2パターンを同時に育てている」ことの弊害なのかもしれませんね. ~ 「1パターンを育てる」ことに専念すれば勿論, 初項は1つはいいので短くなる場合があります. 次に, 階差の部分を実行でも用いる場合です. 例えば a(X,Y,Z):XYXa(YX,Z,Y) a(,sr,sl) みたいな感じでしょうか? 次に, 「同じ関数形の階差」の場合です. 例えば a(X,Y,Z):Xla(YYX,Z,Y) a(,ss,srsl) のような感じでしょうか. 「ssss, srslsrsl」という階差が同じYYの部分で実現できます. ---- なお冒頭に挙げた a(X,Y,Z):****a(YX,Z,Y) a(,s,ss) というコードも, a(X,Y,Z):****a(sYX,Z,Y) a(,,s) とすることで, つまり同じ関数形sYと思うことで短縮が可能です. a(X,Y,Z):****a(sYYX,Z,Y) a(,s,sss) とすれば, > 0,3,10,13,… というような激しい成長も作れます. このくらいになると方法Aよりもだいぶ短く書けそうです. 上記の「同じ関数形」と一口に言っても「YYXZY」のように左右にYZ複合してつけるようなことも可能ですしね. ~ もちろんそんなに複雑なものは見たことがないですが, これに近い複雑なことをやって短縮できたようなこともあります. ~ 単純に「YZX」のような付け方でも意外と気付きにくかったりします. 奥が深いですね.