NLEとはNumerical Limit Exceedの略. 日本語にすると, 「数値の制限を超えました」というところでしょうか.
数値の制限とは, ルール説明において
絶対値が255を超える数値を扱うことは出来ません。
として説明されている部分です.
どのようなコードが, どのようなタイミングでNLE判定を食うかについて, 詳しく調べてみました.
なお, Herbert EditorはNLE判定までは本家と同じ実装がされていないようで, 今回の調査ではHOJ本家を用いています.
NLEの基本は, 256以上の数値が呼び出されることです.
a(T):sa(T+T) a(1)
とすると, a(128+128)が呼び出された時点でNLEします.
b(T):sb(256-T-T) b(1)
とすると,
b(1) = sb(254) = ssb(-252) = ss
となりそうですが, b(256-T-T)というコードをプログラム側で解釈する瞬間に,
まず「256」「T」「T」という数値を読み取るために?NLEになります. なお, 同じようでも
c(T):sc(255+1-T-T) c(1)
d(T):sd(256) sss
などのコードはNLEにならずに実行できます. 前者は, 「255」「1」「T」「T」を認識し,
一気に「255+1-T-T」を計算し, その数値に対してNLE判定を行っていると考えられます.
後者は定義したもの実行しておらず, 定義するだけならNLE判定は起こらないことが分かります.
数値の制限として, ルールに
絶対値が255を超える数値を扱うことは出来ません。
という記述があることは既に述べた通りです. しかし,
a(T):sa(1-T-T) a(255)
というコードはNLEせずに実行できるようです.
どうやら, 関数の引数が負になった場合, 「0以下のときの処理」がNLE処理よりも
優先されるようですね.
数値が256以上になるにもかかわらず, NLE判定をくぐり抜けることがあります.
a(A,B):sa(A-1,B+1) a(1,255)
これを実行すると, a(0,256)と256の数値が現れますが, NLEにはならず実行されます.
「0以下の数値なので何もしない」という処理がNLEよりも優先して働いていますね.
同じようでも
a(A,B):sa(A+1,B-1) a(255,1)
とすると, 今回はa(256,0)と0以下の数値が現れるにもかかわらずNLE判定を食らいます.
どうやら, 「0以下ならその関数は無視する」「256以上ならNLE」という処理を
左側の引数から順番にしている影響だと思われます.
非常に些細な差ですが, この差が運命を分けたコードもあるようなので,
一応知っておくにこしたことはないでしょう.
最後に不思議な現象を紹介しておきましょう.
a(T):ssa(T+1)ssss a(255)
このコード, ss動いた直後にNLE判定で停止..するかと思いきや, なぜか3歩進んで止まります.
a(T):ssa(T+1)rsss a(255)
なら, ssrまで実行されます. どうやら, NLE判定が出ても1歩は動けるみたいです(笑)
「実行されるけど, 回収してもClearにならないんだろ?」と思いきや, どうやら
NLE宣言された次の1歩でちょうどClearした場合, 正常なスコアと扱われます.
ロケ地:Problem 0545.
a(T):a(256)s a(1)
b(T):sb(T+1) llsllb(255)b(255)
こんなのがまともな更新に役立つとはあまり思えませんが. どうもこの現象はテクニックというよりはバグの1種という気もしますw
以上, あまり役に立たないことばかりでしたが, NLEについてmasの知るところをすべて記したつもりです.
ほかに何か面白い現象がありましたら教えてください♪